自助論 全エピソードまとめ

自らを律し、成功を勝ち取ってきたサッカー日本代表の本田圭佑選手。彼の愛読書であるサミュエル・スマイルズの自助論の全エピソードを掲載しています。

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「私が信頼しているのは君一人だけだ」感謝の気持ちを示す

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●感謝の気持ちを忘れない:

フランスの政治家トクビルは「自分の力を信頼し、精力的に働くこと、これが人間にとって不可欠なものだ」という考えをしっかり見につけていた。また一方では、他人からの援助や支えがどれほど貴重であるかも誰よりも深く認めていた。人間は、多かれ少なかれ、他人の援助や支えなしでは生きていけないのだ。

だから彼は、友人のケルゴレーやストッフェルから受けた恩義に対して深い感謝の心を抱いている。ケルゴレーはトクビルに知識面での助力を与え、ストッフェルは精神的な支えと友情を提供した。

●「私が信頼しているのは君一人だけだ」 フランスの政治家のエピソード:

トクビルがケルゴレーに宛てた手紙にはこう書かれている。

「私が信頼しているのは君一人だけだ。君は私の精神にほんとうの意味で影響を与えている。確かに、日常のこまごました問題ではいろいろな人のお世話になっているが、私の考えの根本や行動の指針について、君ほど大きな影響を与えた者はいない」

またトクビルは、妻マリーに対しても決して感謝の心を忘れなかった。彼女の忍耐と気くばりがあったからこそ、彼は自分の研究を首尾よく続けていけたのだ。高潔な人格の妻は気づかぬうちに夫の品性を高めるが、卑しい心の妻は必ず夫を堕落させる ― そうトクビルは信じていた。

結局のところ、人間の性質は目に見えない無数のものによって形づくられていく。先達や古今の格言、人生における実体験や書物、友人や隣人、現在の社会や祖先の英知 ― これらすべてをわれわれは受け継ぎ、疑いもなくそこから大きな影響を受けている。

しかしながら、同じように明らかなことがもう一つある。それは、自分の幸福や成功については、あくまでも自分自身が責任を持たねばならないという点だ。

どんなに立派で賢い人間でも、確かに他人から大きな恩恵を受けている。だが、本来の姿からいえば、われわれは自らが自らに対して最良の援助者にならなければいけないのである。

 - 1章 - 自助の精神