自助論 全エピソードまとめ

自らを律し、成功を勝ち取ってきたサッカー日本代表の本田圭佑選手。彼の愛読書であるサミュエル・スマイルズの自助論の全エピソードを掲載しています。

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よき師、よき友は人生最大の宝

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よき友と交われ。さもなくば誰とも交わるな

人格教育の成否は、誰を模範にするかによって決まる。われわれの人格は、周囲の人間の性格や態度、習慣、意見などによって無意識のうちに形づくられる。よい規則も役には立つが、よい模範にははるかに及ばない。よい模範の中には、実際の行動を通した教え――生きた知恵が含まれているからだ。

よい忠告を与えながら悪い手本を見せているのは、左手で家を建てながら右手でそれを取り壊しているようなものだ。したがって、とくに若いうちはよく注意して友人を選ばなくてはならない。若者には相互に引きつけ合う力があり、付き合っているといつの間にか性格や人柄が似通っていく。作家エッジワースの説によると、「若者はとくに朱に交われば赤くなる性質が強いから、いちばん模範となる友人を選ぶべきだ」という。ちなみに彼のモットーは「よき友と交われ。さもなくば誰とも交わるな」であった。

海軍将校コリングウッドは、若い友人に宛てて次のような手紙を送った。

つまらぬ友と付き合うくらいなら一人で生きよ――これを処世訓として肝に銘じておきなさい。自分よりすぐれた人間か、せめて同程度の人間を友とすべきです。人間の価値は常に、友の価値によって決まるのですから」

名医シデナムも、「人は、話し相手が善人か悪人かによって善くもなれば悪くもなる」と語っている。またオランダの画家ピーター・レーリーは、事情が許す限り三流の絵画は見ないことにしていた。つまらぬ絵に影響されると、自分の絵筆まで汚れ切ってしまうと信じていたためだ。同じように、堕落した人間と付き合っていると自分自身も必ずそれに染まり、品性を落としていくハメになる。

 - 9章 - 素晴らしい出会い - 人生の師・人生の友・人生の書