自助論 全エピソードまとめ

自らを律し、成功を勝ち取ってきたサッカー日本代表の本田圭佑選手。彼の愛読書であるサミュエル・スマイルズの自助論の全エピソードを掲載しています。

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ビジネスを成功させる六つの原則④

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●一日十五分の使い道が人生の明暗を分ける

ビジネスに携わる人間はよく、「時は金なり」ということわざを引用する。むしろ正しくは「時は金以上なり」というべきだ。

時間を正しく活用すれば、自己を啓発し、人格を向上させ、個性を伸ばしていける。もしも毎日がつまらぬことに向けられ無為に浪費されているなら、そのうちの一時間でも自己啓発のために充てるべきだ。そうすれば、どんなに無知な人間も数年で賢い人間に変わる。

立派な仕事のために時間を使えば、人生は実り豊かなものになり、死ぬまでに多くの有意義な成果を上げられるだろう。一時間といわず、一日のうち十五分でもいいから自己修養に向けてみるがいい。一年後にはきっと確かな効果が現われるはずだ。

すぐれた思想や苦労して得た経験は、保存するにも場所を取らず、どこへ持ち歩いても金がかからず、足手まといにもならない。時間を経済的に使うのは、暇を確保する正しい方法でもある。時間を上手にやりくりすれば仕事に追われたりせず、課題を完全にこなした上に、さらに先の仕事にも着手できるようになる。

ところが、逆に時間の使い方をまちがえると、あわただしく混乱した毎日が続き、いずれはにっちもさっちもいかなくなる。その場しのぎのごまかしのような生活は、やがて大きな災いをもたらす。ネルソン提督はかつて、「私が成功したのは、何ごとでも定刻の十五分前から仕事を始めていたおかげだ」と語っている。

金を使いはたすまで、そのありがたさに気づかない者は多い。時間についてはなおさらだ。怠惰な生活に身をゆだねておきながら、人生が残り少なくなってようやく、「時間をもっと賢く使うべきだった」などと悟る人間のなんと多いことか。だが、その時はすでに時間の知恵――「実務能力」のない人に成功はない無精で怠惰な生活習慣は変えようもなく、自分ではめた足かせをはずすことさえ不可能になっている。

失われた富は勤勉によって元通りにできるかもしれない。失われた知識は勉学によって補充でき、失われた健康は節制や薬で取り戻せるかもしれない。だが、失われた時間だけは永遠に戻ってはこないのだ。

 - 6章 - 時間の知恵