自助論 全エピソードまとめ

自らを律し、成功を勝ち取ってきたサッカー日本代表の本田圭佑選手。彼の愛読書であるサミュエル・スマイルズの自助論の全エピソードを掲載しています。

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ビジネスを成功させる六つの原則③

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●時間の浪費は心に雑草をはびこらせる

就職を間近にひかえたある青年が、詩人ウォルター・スコットのところに助言を求めにきた。スコットは、この若者に宛てた手紙で次のようなアドバイスを与えている。

「時間を十分に使いこなせないと、しだいに悪い性癖に悩まされるようになります。いわゆる”ずぼら癖″というやつです。こんな悪癖につまずかぬよう気をつけなさい。君は”精励勤勉″を座右の言葉とすべきです。なすべきことはただちに実行に移しなさい。気晴らしの時間は仕事の後に回すこと。仕事そっちのけで楽しんでいてはいけません。

軍隊が行進している最中に後続部隊が混乱するのをよく見かけますが、これは先頭の部隊の歩調が乱れ行進が滞ってしまうためです。ビジネスも同じです。最初の仕事にすぐ取りかかり、着実にてきぱきと処理していかないと、他の仕事がたまりはじめ、やがては山積した課題に押しつぶされ事態を収拾できなくなってしまうでしょう」

時間の持つ価値を正しく理解すれば、行動もおのずと機敏になる。イタリアのある哲学者は、「時間は財産である」とログセのように語っていた。

しかもこの財産は、使い方が悪いと一文の価値も生まないが、うまく使えば必ず幸運をもたらすものだ、というのである。

実際、時間を浪費していては精神の中に有害な雑草がはびこるばかりだ。何も考えない頭は悪魔の仕事場となり、怠け者は悪魔が頭を横たえる枕となってしまう。忙しく活動しているのは他人に空き家を貸しているのと同じで、逆にブラブラ怠けているのは空き家をカラッポにしておくようなものだ。

空き家になった精神には、妄想の扉が開くにつれて誘惑が忍び寄り、邪悪な考えが群れをなして入りこんでくる。

航海においても、船員は暇が多いほど不平不満をつのらせ、船長に刃向かうようになる。そのことを熟知していたある老船長は、何も仕事がなくなると必ず「イカリをみがき上げろ―」と船員たちに命じたそうである。

 

 - 6章 - 時間の知恵