自助論 全エピソードまとめ

自らを律し、成功を勝ち取ってきたサッカー日本代表の本田圭佑選手。彼の愛読書であるサミュエル・スマイルズの自助論の全エピソードを掲載しています。

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人生の転機に身をあやまるな くだらない自己顕示欲を捨てろ

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●自己顕示欲に取り付かれた人間の末路

最近では、いわゆる「上流生活」に憧れる成金人間が急に増えた。彼らは、誠実さをかなぐり捨て、うわべだけ取りつくろい、金持ちでもないくせに金持ち面を装う。

つまり中身がどうであれ、見てくれだけは体裁を整えたがるのだ。与えられた境遇の中でねばり強く前進する勇気を持たず、もの笑いの種になるとも知らずに社交界の栄華を追い求め、浮き草のような上流社会の一画を占めては虚栄心を満たそうとするのである。

このような愚か者どもは、社会という円形劇場の最前列の席に座ろうと押し合いへし合いをくり広げる。この騒ぎの中で克己心は踏みにじられ、人間の美徳の多くがもみくちゃに押しつぶされて息絶える。見せかけの世俗的な成功で他人を眩惑しようという野心から、どれほど多くの浪費と破綻が生み出されていることか。

いたるところに、その無惨な結果が表われている。

たとえば、低劣な詐欺は後を絶たない。これは、自分が貧乏だと思われるのに我慢がならず、それくらいならいっそ不正をしたほうがましだと考えている連中のしわざだ。

また、死にもの狂いで金もうけに奔走するバカな連中も大勢いる。しかもこの場合、かわいそうなのは失敗する当の本人ではなく、巻き添えを食って身を滅ぼす罪もない多くの家族のほうなのだ。

 - 7章 - 金の知恵