自助論 全エピソードまとめ

自らを律し、成功を勝ち取ってきたサッカー日本代表の本田圭佑選手。彼の愛読書であるサミュエル・スマイルズの自助論の全エピソードを掲載しています。

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自分の才能を伸ばす最高の“栄養剤”は「継続した努力」

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●着実な努力こそが才能を磨き上げる

天才を自認する若者には、風変わりな性格の持ち主や、気まぐれで仕事に熱中するタイプも多い。しかしウィルキーはちがった。彼はひたすら着実な努力を重ねていった。

「時分の成功は、天賦の才能というよりはむしろ地をはうようなねばり強い努力のたまものだ。私の絵が上達した理由は、立った一言でいい表わせる。つまり、たゆまず勉強したからだ」と後年、彼は述べている。

後に、ウィルキーはロンドンに出て安下宿に暮らしながら、「村の政治家たち」を描き上げた。この絵は好評を博し、絵の注文も増えた。だが、それでも彼は長い間窮乏生活を余儀なくされた。というのも、制作にあまりにも時間と労力をかけすぎるため、その絵が売れてもほとんどもうけにはならなかったからだ。

実際、彼は一枚の絵を描くにも、事前によく調べ丹念に準備した。一気に描き上げた絵など一枚も無く、多くは完成まで数年を要した。いったんできあがった絵も、再度書き直され、さらに修正がほどこされ、ようやく日の目を見るにいたる・・・・・それほどの念の入れようだったのである。

「働け!働け!もっと働け!」― これがウィルキーのモットーだ。彼は、おしゃべり好きの芸術家を極度に嫌っていた。口達者も種まきくらいはできるのかもしれない。だがいつの世も、熟した実をもぎ取るのは不言実行型の人間なのだ。「いつも何か仕事をしていよう」といって、彼は暗におしゃべり好きの人間を非難し、怠け者に警告を与えていた。

また、ある時は友人のコンスタブルにこんな話もした。ウィルキーのスコットランド美術院在学中、当時のグラハム学長は画家レーノルズの次の言葉を生徒に好んで聞かせたという。

「諸君が天性の才能に恵まれているなら、勤勉がそれをさらに高めるだろう。もし恵まれていないとしても、勤勉がそれに取って代わるだろう」

「だからこそ」とウィルキーは続けた。

「私は精一杯努力しようと決めたのだ。天分に恵まれていないことくらい、自分で百も承知していたのだから」

 - 4章 - 仕事