自助論 全エピソードまとめ

自らを律し、成功を勝ち取ってきたサッカー日本代表の本田圭佑選手。彼の愛読書であるサミュエル・スマイルズの自助論の全エピソードを掲載しています。

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ありふれた事物の背後を見ぬく目

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●ありふれた事物の背後にある本質を深く理解する

何かの偶然から大発見が生まれたという話をよく耳にする。だが、よくよく調べてみれば、ひょうたんから駒といったケースは皆無に等しい。偶然のできごとと呼ばれるものの大部分は、実は天才的な努力の末に勝ち取られたものなのだ。

ニュートンは、足元に落ちてきたリンゴのおかげで万有引力の法則を考えついたと伝えられている。そしてこの話は、偶然が大発見につながった例としてしばしば引き合いに出される。

だがニュートンは、それまで長年の間重力の問題に専心し、こつこつと研究を続けていたからこそ、目の前にリンゴが落ちるのを見てインスピレーションがひらめき、万有引力の法則を理解するに至ったのである。

物理学者ヤングの場合も、ニュートンと同じことがいえる。

彼は、シャボン玉に光線がキラキラ照り映えるのを見て光の干渉理論を考え出し、それが光線の回折現象を解明する糸口となった。凡人の目には単なる「光のいたずら」としか映らない現象から新しい心理を導き出したのは、彼が多年その問題を研究していたためなのである。

世間では、偉人は浮世離れした問題のみ扱っているなどと考えがちである。だが、このニュートンやヤングの例を見ればわかる通り、むしろ彼らは誰にもなじみ深い平凡な事物をよく観察し、そこにひそむ重大な意味を汲み取ろうとする。

ありふれた事物の背後にある本質を深く理解するところに、偉人の偉人たる最大のゆえんがあるといえるだろう。

 - 3章 - 人生の転機を生かす力